「ごみ屋敷」解消へ審議会 松阪市 福祉的観点から支援

【委員に委嘱状を渡す竹上市長(左)=松阪市役所で】

【松阪】ごみが積まれ放置された「ごみ屋敷」の解消を目指す「松阪市住居等における不良な生活環境の解消に関する審議会」は23日、市役所で初会合を開いた。先月施行された三重県内初の条例に基づき設置され、ごみ屋敷の特定や対策を答申する。

同市の「住居等における不良な生活環境の解消に関する条例」は、居住者の同意を得て「堆積物の排出支援を行う」とし、指導・勧告、命令、代執行を規定している。基本方針では「背景には地域社会における孤立等の生活上の諸問題があり得る」として、認知症や高齢化、疾病に関わる「福祉的観点から寄り添った支援を行う」と掲げている。

委員に委嘱状を手渡した竹上真人市長は「住民から悲鳴に近い訴えを数々頂いている。一刻も早くごみ屋敷を解消できるよう努力する」とあいさつ。「物理的に解消しても、瞬く間に元の状態に戻る。本人の心に寄り添う形でなければ根本的解決にならず、周辺住民とのトラブルを繰り返していたちごっこになる。条例はかなり福祉的なのが特徴。まず人に寄り添う」と話した。

メンバーは学識者、市民生委員児童委員協議会連合会、市住民自治協議会連合会の委員と弁護士、副市長の7人。会長に近田雄一副市長を選出した。委員らは対象世帯の状況について報告を受け、不良な生活環境の判定、福祉的支援について意見交換した。個人情報保護のため非公開で審議した。