陶芸家・松本さん、10年ぶり個展 日展入選作品も 三重・桑名

【10年ぶりに個展を開いた松本さん=桑名市南寺町のギャラリー寺町で】

【桑名】三重県四日市市平津新町の陶芸家、松本央さん(72)は23日、桑名市南寺町のギャラリー寺町で約10年ぶりとなる個展を開いた。萬古焼の創始者、沼波弄山(ぬなみろうざん)(1718―77年)の古萬古を模した水差しや新作の花器をはじめ、茶わん、急須、皿など約60点を展示した。28日まで。

今回は特別に、思い入れのある作品も一緒に並べた。横90センチ、奥行き43センチ、高さ10センチもある「灰釉(かいゆう)刻文大皿」は、国内最大の公募展「日展」で入選した作品で、23年ぶりに披露した。11年前に93歳で亡くなった陶芸家だった父衆司(雅号・草人)さんの遺作で、鳳凰(ほうおう)が描かれた鉢も紹介している。

この10年間、グループ展に参加して作品を発表してきた。年齢などを理由に、個展は今回で最後にするかもしれないという。

松本さんは「コロナ禍で取り組んだ新作もあれば、メモリアルな作品もある。ぜひ見に来ていただけたら」と話した。