三重県議会常任委 「二重課税のよう」と指摘 県民税と森林環境税で委員

【「みえ森と緑の県民税」について説明を受ける環境生活農林水産常任委=県議会議事堂で】

三重県議会は23日、環境生活農林水産と教育警察の両常任委員会を開いた。環境生活農林水産常任委の委員は、県が県民から徴収している「みえ森と緑の県民税(県民税)」と、国が令和6年度から徴収する森林環境税が「二重課税になるのでは」と指摘。農林水産部は税の使途が異なるとして理解を求めた。

 <環境生活農林水産=山崎博委員長(8人)>
農林水産部は本年度末で県民税の2期目が終了することから「見直しの議論を進める」と説明。継続を前提としつつ、県民税の評価委員会や常任委の意見を踏まえて検討する考えを示した。

【森林税】
県は平成26年度から県民税を導入。一人当たり千円を徴収し、災害対策などに充てている。一方、国も森林整備などに充てる森林環境譲与税を県と市町に交付しており、来年度から一人当たり千円を徴収する。

稲森稔尚委員(草の根運動いが、3期、伊賀市)は「県民税と森林環境税は二重課税のようだ。森林組合や市町の関係者に聞き取れば、引き続き徴収することになる」とし、県民に意見を聞くよう求めた。

農林水産部は県民税と森林環境税の使途を分けているとして二重課税を否定。県民を対象に実施したアンケートに回答した約2200人の88%が県民税の継続に賛成したことを紹介し、理解を求めた。

これに対し、稲森委員は「県民税への賛成と二重課税への賛成とでは大きく違う」と指摘。「森林政策は大切だが、国と県の税が2本立てになっていることへの意見を納税者から聞くべき」と訴えた。

刑法犯13年ぶり増加 特殊詐欺の被害拡大

 <教育警察=山内道明委員長(8人)>
県警は昨年の刑法犯認知件数が13年ぶりに増加したと報告。平成14年をピークに減少し、令和元年以降過去最少を更新していたが、侵入盗や自転車盗などの窃盗犯を中心に増えた。

【犯罪情勢】
県警によると、殺人や強盗などの重要犯罪認知件数は93件で、前年から4件の減少。特殊詐欺の被害は前年から約1億8380万円増の約3億7630万円で、架空請求被害が最も多かった。

【建て替え】
小島智子委員(新政みえ、4期、桑名市・桑名郡)は津波浸水区域内にある桑名署管内の庁舎について、大規模災害への備えや老朽化などの観点から、建て替える方針の有無を尋ねた。

八木隆明警務部長は「治安維持の拠点としても対応する必要がある。経年や狭あい、事件の発生状況を考慮して総合的に判断したい」と述べた。