ホンダ鈴鹿〝打倒関東〟へ 都市対抗野球あす東海2次予選

【181センチの大型遊撃手で社会人2年目の今年ドラフト候補にも名を連ねるホンダ鈴鹿・中川拓紀=11日、鈴鹿市内で】

第94回都市対抗野球大会(7月14日開幕・東京ドーム)出場を懸けた東海地区2次予選が21日、愛知・岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで開幕する。昨年、2年ぶり26回目の本大会出場を果たすも1回戦でセガサミー(東京)に2―3で惜敗したホンダ鈴鹿。〝打倒関東〟をテーマにこの冬厳しい練習に取り組んできた成果を発揮して、まず、2年連続の本戦出場を勝ち取る。

昨年26年ぶりに球界に復帰した久芳修平監督が語る。「都市対抗の本戦、JABAの地方大会。いずれも関東のチームに1点差で負けた。関東のチームを倒さないと上位に上がれないということが良く分かったシーズンだった」。

その上で「打倒関東」を合言葉に「強靱(きょうじん)な身体、パワーを付けることに軸足を置いて去年の冬、冬季キャンプという形で走り込み、ウエートトレーニング、振り込み、かなり量をこなしてきた」。

入社8年目の畔上翔主将が「去年のオフシーズンほどのトレーニングは今までやったことがなかった」と振り返るほどの内容。まず効果が現れたのが投手陣だった。

同期の右腕井村勇介とともに先発としての活躍が期待される26歳の左の豪腕森田駿哉は昨季のシーズンベストに迫る149キロを計測するなど球速がアップ。

同じ時期にオーバースローからサイドスローに転向した20年入社の右腕八木玲於に安定感が出てきたこともあり、計算できる戦力がそろってきた。

打線ではベテランの畔上主将のほか、思いきりの良い打撃に選球眼も良い入社5年目の長野勇斗=松阪市出身=、得点圏打率がチーム一の入社4年目の貞光広登らが春先から好調を維持している。

守備範囲の広さで入社2年目の今季、遊撃の定位置争いをリードするほか、U―23日本代表でW杯に出場するなどチーム外でも経験を積む中川拓紀=伊勢市出身=も下位打線の起爆剤としての活躍が期待される。

昨年初めて都市対抗野球の本戦に出場した中川は「応援、初めての東京ドームといろいろな経験ができた。勝ち負け関係なく今まで野球をやってきた中で一番楽しい時間だった」。

今年は新型コロナウイルスの5類移行に伴い、予選から熱い応援が予想される。久芳監督は「応援してくださる皆さまに勝利の感動を与え続けていくため頑張っていく」と話している。

都市対抗野球東海地区2次予選 三重、愛知、岐阜、静岡の各自治体から企業、クラブの14チームが出場し、そのうち6チームが都市対抗の本戦に進出する。県内からは企業チームのホンダ鈴鹿、クラブチームの三重高虎BCが出場し、ホンダ鈴鹿は大会第1日に東海理化(愛知)、三重高虎は第3日にヤマハ(静岡)との初戦を迎える。