東海地区大学野球あす開幕 皇學館大 投手2人が好投誓う

【皇學館大の宮﨑将通(左)と江南怜】

東海地区大学野球春季選手権大会(東海地区大学野球連盟主催)が20日、伊勢市楠部町のダイムスタジアム伊勢で行われ、皇學館大、中部学院大(岐阜)、東海大静岡キャンパスの3県リーグ王者がともえ戦で対戦し、優勝校が全日本大学野球選手権(6月、神宮など)に出場する。2015年以来2度目の春の東海の頂点を目指す三重県リーグ覇者・皇學館大は、1年目から中軸を担う村田怜音一塁手(4年・相可)をはじめ経験豊富な野手が多く、投手陣も多彩。特に、今季リーグ最優秀投手賞を初受賞した宮﨑将通(4年・中部大春日丘)、通算3度のリーグ最優秀投手賞受賞の江南怜(4年・津商)の2人の4年生右腕は特別な思いで大学最後の春の東海大会に臨む。


三重県リーグ初登板は3年秋と遅いデビューの宮﨑。先発に救援とフル回転の働きだった今季は、リーグトップの防御率2・077の成績で、大学4年目にして初の最優秀投手賞を受賞した。

セットポジションから繰り出される最速142キロのストレートは「球速以上に速く見える」と評判だ。大学入学後長く故障に苦しみ、野球をやめようと思った時期もあったが、周囲の激励にも支えられてトレーニングを積み「(投球中)身体が突っ込んだり、軸がぶれたりしなくなった」と実感する。

トップチームに初めて上がったのが3年の春。静岡・草薙球場で行われた前回の春の東海大会はベンチ入りメンバーから漏れ、仲間の応援に回った。「あの場所で投げたい」とスタンドから見つめた東海大会のマウンド。次は自分が立ち、仲間を全国に導く投球を誓う。


4試合で防御率0・00を記録した2年春から通算3度のリーグ最優秀投手に輝く江南。最速145キロの直球と代名詞のカットボールを軸に打者を翻弄(ほんろう)。SNS(交流サイト)で集めた情報を練習に生かす研究熱心さも仲間の良きお手本だ。

1年目からトップチームで経験を積むが一番印象に残る大会が岐阜聖徳学園大に敗れて2位で終えた2年前の春の東海大会。優勝が懸かる試合の先発に抜てきされたが、勝ち越しを許して降板。敗戦後は「先輩たちの夢をつぶした」と人目をはばからずに号泣した。

大学卒業後も野球を続けることを希望するが「ここ(東海)を勝たないともう1つ上のレベルに行けない」と言われた先輩の言葉が胸に残る。自身の壁を破るためにも「出る場面があったらしっかりゼロで抑え、攻撃に良い流れをもっていく」と気合を入れる。

東海地区大学野球春季選手権 三重、岐阜、静岡の各県春季リーグ戦の覇者が、ともえ戦方式総当たり勝率制で優勝を争う。コールドゲームは五回以降10点差、七回以降7点差で成立。延長十回からタイブレークを実施する。3チーム同率の場合、翌日同様のリーグ戦を行う。試合順は①中部学院大―東海大静岡(午前9時~)②皇學館大―第1試合の敗者(同11時半~)③皇學館大―第1試合の勝者(午後2時~)。入場料は一般600円、大学生・高校生300円(学生証提示の上)、小中学生無料。