廃棄物の草木を堆肥化 伊勢の原田組、リサイクル施設稼働 三重

【廃棄物の草木などを受け入れ堆肥や燃料チップ材にする「大湊リサイクルセンター」=伊勢市大湊町で】

【伊勢】三重県伊勢市大湊町に、廃棄物として排出される枝木や草などを堆肥化する施設「大湊リサイクルセンター」ができた。同町の土木建設会社「原田組」が、本社近くの鉄工所跡を活用し、新規事業として施設を立ち上げ、17日に稼働を開始した。

センターは、敷地面積約3300平方メートル。鉄工所だった建物の一つを全面改修して堆肥化施設にした。施設の建物面積は803平方メートル。一般廃棄物と産業廃棄物を受け入れ、持ち込まれた刈草や枝木などは、破砕機で細かくした後、施設内で発酵させ1カ月ほどかけて堆肥にし、販売する予定。木の幹などは、細かく砕き、バイオマス発電の燃料になる木材チップにして、発電施設などへ売却することを見込んでいる。同様の堆肥化施設は、市内初という。

【草木などを細かくする破砕機=伊勢市大湊町の大湊リサイクルセンターで】

同社が新規事業の構想を練り始めたのは約2年前。町内で空き地が増え、雑草の処理ができず荒れ地が広がる中、何か対策できないかと地域から相談を受けたことをきっかけに、これまで燃えるごみとして処分していた雑木や刈草を有効活用できないかと、事業計画を進めてきた。

稼働開始に先立ち、安全祈願祭が16日にあり、同社や地域の関係者ら約30人が出席した。

南端哲(さとる)社長(50)は「荒れ地の雑草を施設で処理し、できた堆肥で町の荒れ地を花畑にする計画。廃材を有効活用する循環システムを整備し、地域に貢献したい」と話した。