景色と図形重ねた油彩 画家・鎌田さん、津で個展 三重

【作品を紹介する鎌田さん=津市中央の三重画廊で】

【津】三重県津市安濃町の画家、鎌田悦男さん(63)は17日、同市中央の三重画廊で2年ぶりの個展「かさなりのにわ」を開いた。多様な景色と繰り返す図形とで描いた大小の油彩画42点を展示販売している。21日まで。

鎌田さんは津市に生まれ、愛知県立芸大、同大院で油彩画を学び個展やグループ展で作品を発表。平成10年から市内で絵画教室を主宰する。

焦点をぼかした街の風景、心に残る窓からの景色、目の腫れた自画像などそれぞれに合わせ小さな図形を複数重ねている。作品「むこうへのにわ」は深い黒色の中に楕円(だえん)のぼんやりとした景色が浮かび、中央に一列オレンジ色の図形を重ねている。「見えているのはトンネルから見える母の住む家。コロナ禍での距離やためらいを表現した」という。

鎌田さんは「今回は制限を設けずやりたいことをした。作品の中の行ったり来たりや、他の作品との行ったり来たりを楽しんでもらえたら」と話した。