知事、公舎から転居 津市内のマンションに 三重

一見勝之三重県知事が公舎(津市観音寺町)から同市内のマンションに転居したことが10日、県への取材で分かった。県はセキュリティーや周辺住民への影響を理由に転居先の住所を明らかにしていない。

県によると、一見知事が入居した新たな知事公舎は県庁付近にあるという。知事が住む部屋の面積は82平方メートルで、県が借り上げた。大型連休中の今月4日に転居し、引っ越しの費用は県が負担した。

月々の家賃は20万6281円。県の基準に基づき16万2121円は県が負担し、残る4万4160円は知事が負担する。知事の負担分は私邸部分を一平方メートル当たり622円で算出した。

県は築44年で老朽化する知事公舎の対応を検討するため、昨年10月に不動産鑑定士などでつくる有識者会議を設置。会議は同年12月、民間のマンションも選択肢の一つとする意見書をまとめていた。

県は今年3月、知事公舎を賃貸マンションに移すことが妥当とする検討結果を発表。12件を抽出し、入居済みの3件を除いた9件から「よりセキュリティーが高い物件を選んだ」(県幹部)という。

県は入居先の住所や築年数を明らかにしていない。総務部は「入居先を公開するとセキュリティーに支障を来す恐れがある。同じマンションの入居者など、周辺にも迷惑がかかる」と説明している。

一方、県は知事が退去した公舎の活用方法について検討する方針。月内にも各部局を集めた会議を開き、活用方法の提案を求める。適当な活用方法がなければ売却も視野に対応を検討するという。