伊勢志摩地域のブドウでワインを 玉城町に農場開設へ 伊勢志摩ワイナリーと町が連携協定 三重

【連携協定を締結した辻村町長(左)と田﨑さん=玉城町役場で(同町提供)】

【度会郡】三重県伊勢市大世古の「伊勢志摩ワイナリー」が3月から、玉城町勝田でワイン用のブドウを栽培する自社農場を開設する。玉城町役場で連携協定の締結式があり、辻村修一町長と同社代表取締役の田﨑健志さんが協定書を交わした。

協定には、同社が醸造用のブドウの普及や町内での生産量の増加に取り組むほか、地域雇用の拡大と地域活性化への貢献を目指すことや、町が地域住民との調和を図りながら、積極的に協力・支援することを盛り込んだ。

同社が運営する伊勢志摩地域初のワイナリー「伊勢美し国醸造所」は昨年開設され、ワインバーやステーキ店、イタリアンをベースにした料理が楽しめるワイン食堂を併設。県内外からブドウを仕入れてワイン醸造に取り組んでいる。

同町は50年以上、ブドウ栽培の歴史があるが生産者の高齢化などに伴い、かつて6ヘクタール以上あった栽培面積が近年は約1ヘクタールとなり、生産者も減っているという。そんな中、「伊勢志摩地域のブドウでワインを造りたい」と、自社農場の適地を探していた同社に町が情報を提供。かつてブドウを栽培していた約0・4ヘクタールの農地を借り、農場を開設することになった。

今春からワイン用品種のメルローやシャルドネ、アルバリーニョを中心に栽培を始め、約500本の苗木を植え付ける。令和7年秋に1トン弱を収穫予定で、将来的には年間4トンの生産を見込んでいる。同町の他に伊勢市にも農場を開設する。

辻村町長は「今回の農場開設が玉城町のブドウ生産量の増加に貢献いただけるので大変ありがたい。町の豊富な食材と町で生産されたブドウで醸造されたワインによるコラボレーションが、町内の活性化につながると大いに期待している」と述べた。

田﨑さんは「玉城町でワイン用ブドウを栽培することで伊勢志摩地域のブドウで醸造したワインができ、伊勢志摩地域のブランドとしてPRすることができる。今後も地域の方々と協力しながら農場を運営していきたい」と話した。