フレイル予防し健康に暮らす 東員町がイベント、実証実験成果報告 三重

【活動報告の最後に気勢を上げるフレイルサポーターの皆さん=東員町山田の町総合文化センターで】

【員弁郡】三重県東員町は25日、町総合文化センター(同町山田)で「とういん健康フェア~知っ得!やっ得!なっ得!フレイル予防!!~」と題するイベントを開いた。「健康で暮らせるまち」を目指し、住民の健康意識の醸成を図る目的で、東京大学高齢社会研究所未来ビジョン研究センター特任講師の孫輔卿氏が講演したほか、県内初の住民フレイルサポーターによる活動報告や、世界初の取り組みとして令和2年から東京大学などと実証実験を進めてきた「電力データとAIによるフレイル検知実証」についての成果報告があった。

フレイル(虚弱)とは、年を取って心や体が衰え、心身の活力・筋力などが低下した状態、健康と要介護の中間の状態をいう。水谷俊郎町長は開会あいさつで「『若く』は無理でも『若々しく』はできる」とし、「電力データとAIによる検知」と「アウトリーチ型情報提供スキーム」を掛け合わせた、フレイル予防のための事業を新年度から始めると発表した。

イベントでは、町健康長寿課から、フレイルチェック事業を開始した経緯、養成講座を受講したフレイルサポーター25人の取り組みなどが紹介された後、サポーターが活動について報告。サポーター全員が「指輪っかテスト」とフレイル予防の体操を壇上で実演した。

成果報告では、フレイルを見つけ出すだけでなく、改善・予防に挑戦したとして、①情報を届けることで予防・改善できるか?②AIをさらに賢くできるか?③民間企業と連携することで何が良くなる?―について発表があり、町は民間企業と連携して住民へ情報を届けたこと、フレイルだった11人のうち八人が健康状態になったこと、一人暮らし用AIは大きく精度向上したことなどが発表された。イベントの前後には、町内各種団体などによる展示や相談会を開き、明治安田生命による血管年齢測定や野菜摂取量測定などが行われた。