桑名のダイマル「アトツギ甲子園」決勝へ 中小企業後継者が事業アイデア競う

【決勝大会に向けて本番さながらのプレゼンを行う西塚氏=桑名市桑栄町の桑名商工会議所で】

【桑名】三重県の桑名商工会議所は20日、同市桑栄町の同所会議室で「アトツギ甲子園決勝大会進出発表会」を開いた。「アトツギ甲子園」(経済産業省・中小企業庁主催)は中小企業の後継者が新規事業のアイデアを競うコンテストで、3回目となる今回は全国で192社がエントリー。地方大会は西日本・中日本・東日本の3ブロックに分けて予選が行われた。

中日本ブロック大会(東海・北陸・関西エリア)は10日に大阪府で開かれ、書類選考を通過した15社が出場。住宅資材の販売・配達を手がける「ダイマル」(桑名市参宮通)が勝ち抜いて、県内で唯一、ブロック代表5社に選ばれ、3月3日に東京都で開催される決勝大会に出場する。

この日は、同社の西塚卓郎氏(34)」が決勝大会に向け、「捨てられる木に新たな命を吹き込み、地域の大工へ『tsunagu』」をテーマに発表。「私がエンドユーザーと大工・工務店の間に入ることで、捨てられてしまっていた古材や家具を引き取り、リフォームなどの資材で再利用できるようにする」と、ビジネスプランについて大会本番と同様に4分の制限時間内に説明した。

「古材は価値があるから救出する。祖父が『大工さんと円陣を組む』という意味で付けた社名の通り、昔からの大工さんとの付き合いがあるから解体情報が集まってくる」と強調。その上で「エンドユーザーには価格面とトラブル時の対応の早さなどでメリットがある。自社を含め地域としてもうかるように、行政や周囲を巻き込んで活動していければ」と語った。

決勝大会では、事業の新規性、実現可能性、収益性、社会性などが問われるが、10年後の同社の収益構造についても「既存事業は現在の7割ほどに落ち込むとしても、新規事業と既存事業への波及効果により現在の1・5倍の収益を見込める」と自信を見せていた。