鈴鹿の景気見通し悪化 商議所中小相談所が調査 三重

【鈴鹿】三重県の鈴鹿商工会議所中小企業相談所はこのほど、令和4年下期(7―12月)の景気動向調査結果を発表した。景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた、現状の景気を示す「現状DI値」は5期連続改善したが、今後の景気見通しを示すDI値は悪化を示した。

調査は市内の会員企業1100社を対象に実施。315社から回答があり、回答率は28・6%。

調査結果によると、現状の景気を示すDI値は前期調査(1―6月)より4・2ポイント改善し、マイナス33・3ポイント。新型コロナウイルス感染症の影響を受けた令和2年の調査以降、5期連続でDI値が改善した。

一方、今後の景気見通しを示すDI値はマイナス40・9ポイントで、現状DI値と比較して7・6ポイント悪化していることから、同所は「地域経済の業況は悪化する」との見方を強める。

業種別では、小売業の現状DI値が前期同様のマイナス50・0ポイントを示したほか、飲食業はマイナス42・8ポイント(前期マイナス46・5ポイント)、サービス業はマイナス40・0ポイント(前期マイナス20・3ポイント)で、ワースト上位を占めた。

事業者からは「ロシアのウクライナ侵攻の影響による材料や燃料費の高騰などが経営に響き、売り上げは上がっても利益は下がっている」という声も20件以上あり、原材料の値上げにより将来を不安視する事業者の姿が浮彫りとなった。

同所は調査結果を受けて「一つ一つの会社に寄り添って経営強化を図りたい」と話した。