災害廃棄物処理、迅速に 南伊勢町で巨大地震想定図上訓練 三重

【図上訓練で廃棄物処理について協議する参加者ら=南伊勢町船越の町地域連携棟で】

【度会郡】三重県南伊勢町の災害廃棄物処理の図上訓練が11日、同町船越の町地域連携棟と南伊勢ワークスペースであった。巨大地震による津波災害を想定し、県や町関係者、住民、自衛隊ら約60人が参加。町が策定した初動対応マニュアルを基に、災害復旧の課題となっている廃棄物処理の対応力を高めた。

この日は、2月9日に発生した巨大地震による津波で同町が被災したと想定。災害の生存率が急激に下がるとされる発生から72時間が経過後、救助活動をしながら災害廃棄物処理をどう進めていくかを検証しようと、発災4日目からの初動訓練を実施した。

道路が通行止めになっている間、自衛隊や県、町と災害協定を結ぶ度会町関係者らは、災害対策本部のある地域連携棟から離れた場所で現在の状況を報告して情報を共有し、通行可能になると災害対策本部に移動。参加者らはグループ別に、自分らが行うべきことや変化していく状況への対応を検討した。

状況付与シートに書き込まれた支援要請や確認事項などに関係機関が対応。「冷凍庫の倒壊で処理が必要となった大量の冷凍魚がある」「仮置き場でごみを搬入する車が渋滞している」などと連絡が入ると、関係機関がそれぞれの役割や連携体制、初動対応の手順を確かめた。最後に参加者らが意見交換をした。

町防災アドバイザーで三重大学工学研究科の川口淳准教授は「参加した人は必ず訓練を振り返り、課題や疑問や違和感をリストアップし、解決してほしい」と講評。上村久仁町長は「訓練を通じて準備の大切さを痛感した。住民の生命や財産を守るのが我々の使命なので、今後もしっかりと対応策を考えていきたい」と話した。