
第95回記念選抜高校野球大会(3月18日開幕・甲子園)の出場校を決める選考委員会が27日、大阪市内で開かれ、21世紀枠(計3校)の最終候補9校に残っていた三重県立木本高校(熊野市木本町)は選ばれず、2001年から始まった21世紀枠からの県勢の出場は今年もなかった。一般選考枠でも県内高校の選出はなく、4大会連続で県勢が出場しないセンバツとなる。
例年結果は選考委員会から電話で伝えられてきたが今年からインターネット中継で発表された。同校視聴覚室にあるパソコンで中継を見守っていた松本徳一校長と野球部の西垣戸洋一監督は午後3時半過ぎ、落選が分かると一瞬厳しい表情を見せた。それでも野球部員らが教室に現れると、松本校長は「大変悔しい結果になったが自力で甲子園にいけるよう頑張って」と励ました。
野球部創部は1948年で、春夏通じて甲子園の出場経験はない。過疎化の進む県南部にあって野球部も選手13人の少人数だが、地域や野球部OBのサポートも受けて、昨年秋の県大会で甲子園出場経験校などを退けてベスト4に進出したことで、県高野連、東海高野連が21世紀枠の推薦校に選んでいた。
「少し悔しい気持ちもあるが、夏の県大会で優勝して甲子園へ」と前を見据えた榎本和真主将(2年)は、春の部員勧誘について聞かれると「人数が少ない分仲が良いのがメリット。木本高校で野球をしたいと言ってくれる子と三重県で一番になりたい」と話し部員間の絆の強さものぞかせた。
また西垣戸監督は「(今回の21世紀枠最終候補入りをきっかけに)県内外の人に木本高校を知って頂き(SNSなどで)たくさんエールをいただいた」と感謝し、野球部が結果を残すことで「もらった元気、感動を届けて、恩返しを成し遂げようと選手らに伝えたい」と話した。