結婚や子ども医療費支援 三重県が人口減少対策計画

【計画中の新規事業を一見知事(右端)に説明する幹部ら=県庁で】

三重県当局は23日、来年度当初予算案の編成に向けた「知事査定ヒアリング」で、人口減少対策の計画を報告した。「結婚応援サポーター」の養成やマッチングアプリの周知などで結婚を支援するほか、子どもの医療費を負担する市町への助成を増やす方針。

県によると、各部局が来年度当初予算案で要求している人口減少対策の関連費は約128億2千万円。前年度当初予算と比べて23億6千万円増加した。人口減少対策を「最重要課題」と位置付ける一見勝之知事の意向を踏まえたとみられる。

このうち、結婚につながる出会いを促す「みえの出逢い支援事業」では、新たに結婚を希望する人らを引き合わせる「結婚応援サポーター」を養成する。マッチングアプリをはじめとする婚活サービスを周知するほか、安全に利用するため啓発も行う。

未就学児の医療費を無料にしている市町の負担を軽減するため、市町への助成を拡大する方針。所得制限の基準を緩和し、負担の減少分を他の子育て支援策に充ててもらう。助成金として前年度比1億8千万円増の22億3千万円を要求している。

妊産婦や子育て家庭の相談に応じる拠点の整備や支援員の配置を進める市町に対し、新たに経費を支出する方針。若者の県内定着に向けてオンラインでの就職支援を充実させるほか、SNS(交流サイト)を通じて県内就職の情報を発信する考え。

一見知事は人口減少対策について「部局間に加えて市町との連携も加速させ、積極的に進めてほしい」と要請。「財政力の高いところだけが子どもを集められるのが良いのかと言えば、そうではない」と述べ、国への要望をまとめる考えも示した。

廣田恵子副知事は行政の結婚支援について「タブー視されてきたとも思う」と指摘した。安井晃戦略企画部長は「県民の価値観を変えようとすることはない」と説明。中村徳久子ども・福祉部長は「結婚を希望する人に手法を提示したい」と述べた。