カズの退団を発表 サッカーJFL鈴鹿、期間満了で 三重

【鈴鹿ポイントゲッターズの選手としてプレーした三浦知良選手=2022年4月、四日市市内で】

サッカー・日本フットボールリーグの鈴鹿ポイントゲッターズは16日、元日本代表FWの三浦知良選手(55)=静岡市出身=の退団を発表した。J1横浜FCからの期限付き移籍期間が満了したため。2023年シーズンは夏までの期限付きで、ポルトガル2部のオリベイレンセへの移籍が決定的となっている。

プロ37年目の22年シーズン、兄の泰年氏が監督を務める同チームに移籍し、アマチュアリーグのJFLで初めてプレーした。18試合に出場し2得点を挙げ、リーグ最年長出場、最年長得点記録を更新。リーグ歴代最多の16218人が来場した東京・国立競技場でのクリアソン新宿戦を始め各チームが観客動員数の新記録を作った。

三浦選手はチームを通じて「私は新天地での新たな挑戦を選択いたしました。ポイントゲッターズの選手、スタッフには感謝しかありません。みんなと戦い抜いた1年間は大変充実したものであり、自分のサッカー人生にとっても大きな財産となりました」と昨季を振り返った。

多忙な合間を縫って鈴鹿市内の小学校を訪問するなど市民とも交流した。末松則子鈴鹿市長は「鈴鹿に来てくれたことは非常に感謝している。スタジアムの盛り上がりを見て、カズ選手の偉大さを改めて感じた。子どもたちにもサッカーの素晴らしさを伝えてくれた」とコメントした。

 ライバルチームからも三浦選手の退団を惜しむ声が出た。JFLのヴィアティン三重の後藤大介代表は「JFLというアマチュアリーグを知らなくてもカズさんをきっかけに足を運んだ人がたくさんいると思う。それだけでも感謝」と語り、「プロリーグに上がるため、人生を懸けて戦う姿はJリーグにない熱さ。そういうところを体験しに、また来場してくれるとうれしい」と願った。

2009年シーズンに横浜FC監督として三浦選手とともに戦ったヴィアティン三重の樋口靖洋監督は「JFL、三重のサッカーの価値向上に貢献してくれた」とした上で「あの年齢でチャレンジできる環境に自分を置けることは本当にすごいこと。今後の活躍、成功を祈っている」と話した。