2022年12月2日(金)

▼テレビの人気トーク番組、黒柳徹子さん司会の『徹子の部屋』に先月、タレントで俳優のうつみ宮土理さんが登場した。久しぶりに見た気がしたが「傘寿を迎えた」と言っていた。「傘」の字の略字を分解すると80となることで80歳の長寿を祝う言葉だが、昔69歳で古希を祝われ「一年早い」と憮然としたら「数え年で計算するんだ」と言われた

▼満年齢は生まれた時点がゼロ歳だが、数え年は一歳とし、正月ごとに一つ加算する。妊娠段階で命が宿ったとする考え方だが、いまはもっぱら満年齢。うつみさんの傘寿もそうだが、どちらも別に間違いとかではないそうだ

▼昔は八歳で小学生と覚えたが、これも数え年。成人式は、生まれ育った北海道は数えで、進学した東京は満年齢だった。一歳得した気分だったが、古希では逆に損をした気になった

▼県内の報道機関の支局長らの集まりで、かつての取材体験が話題になることがある。大概はいわゆる武勇伝で、現役記者らへの嘆きや、まだまだ負けないなどの話になるが、同じことを今もできるかと問われると口をつぐむ。若いからできたことだと認めざるを得ない

▼子どものころは一日が長く感じ、長じて光陰矢のごとしとなるのはそのせいもあるのだろう。30代はあっという間で40代は落ち着くなどの類いも、その時代にどんな生き方をしたかで違ってくるのではないか

▼今年も一年納めの12月。古語で師走。そのいわれに各説あるが、「走」の気分は誰しも同じではないか。どう過ごすかが大事で、来し方を考える機会でもあることは、各月に勝る。