2022年9月14日(水)

▼駅前の放置自転車を片づけようと、柴田孝之菰野町長が逆さにした状態で別の場所に置いたことが町議会で議論になった

▼「ハンドルなどに傷が付く。器物損壊罪が成立する可能性も。所有者に注意を促して移動させるのが通常の行政だ」という議員の批判に、町長は「施錠された自転車はサドルを下にして運ぶのが合理的。トラックに山積みにして撤去しても、器物損壊などの責任が発生したとは聞いたことがない」

▼結果は、町長が「町民の誤解を生む」として新たに確保する駐輪スペースへの移動など、対策の方法を改める考えを示したので雨降って地固まるか。放置自転車は町長自ら逆さにして運んだという。その行為に賛否は分かれるのではないか

▼放置自転車は実際、困りものだ。津市の場合、津駅の線路際、近鉄江戸橋駅のコンビニ横などでよく見かけたが、整然としていればともかく、出し入れで転倒してもそのままだったり、大風では必ず転倒し散乱する。持ち主不明なのか、数台はいつまでも片付けられない

▼予告して撤去されるのも何度か目撃したが、トラックに山積みされて運ばれても、放置自転車が途切れることはない。24時間放置自転車もすぐ現れ、元のもくあみである。このところかつてほど雑然としていないようだが、「予告→撤去」そのものも見かけない

▼所有者に自覚を促す上で、町長の意図は別にして、逆さにして別の場所に置くのはショック療法としてなかなかうまい手の気がする。傷が付かないよう注意すれば文句もでないのではないか。自ら運んだ町長の思いも捨てがたい。