大観小観 2022年6月24日(金)

▼参院選が公示され、改選数1の三重選挙区に新人4人が立候補した。投票率が下降線をたどる中で、この候補者数はなかなかで、県民の政治参加に明るさを感じさせる。4人のうち3人が女性というのも異例で、圧倒される。前回県議選も、結果はともかく、女性の立候補者数は最多だった。女性活躍の時代の呼びかけは、着実に浸透しているのかもしれない

▼変化の兆しは、それだけではない。無所属新人の芳野正英氏の出陣式が津市美杉町八知のJR伊勢八知駅前というのは異例なのではないか。NHKをぶっつぶせが立党精神のNHK党の門田節代氏がNHK津放送局前というのもたまたまというわけではあるまい。参院選に比例代表制が取り入れられて以来、時代を反映した多数の小党が登録され、消えていった

▼その中で、今回は参政党がネットで生まれ、たちまち党員6万人に達したことで注目され、県内でも堀江珠恵氏が出馬した。第一声は津市大門の「まん中広場」で「日本の政治はどこかおかしい」というのは国民大方の思いであり、どこかを示せない既存政党へのアンチを感じさせる

▼自民党の山本佐知子氏は津駅東口で出陣式。中央から茂木敏充幹事長が出席し「最初の応援の地を三重から」と先の岸田文雄首相来県と同じ趣旨を強調した。いわばこれまでの王道をたどる形。どの候補からもウクライナ、コロナが出てこないのは〝ガラパゴス選挙〟の趣がある

▼ウクライナ、コロナを機に県民の意識に地殻変動が起きているのは間違いない。果たしてそれを吸収できるか。参院の意義も問われている。