2022年6月25日(土)

▼懐かしい丸型ポストが今も活躍する三重県津市のJR一身田駅で、ごみを入れないよう呼びかける貼り紙が出された。今月上旬に吸い殻が入れられる事件が発生。郵便物が燃え、火事になる恐れがあると、津中央郵便局が貼った。「今後も続くようでしたらポストを撤去」の文言がある

▼これまでも数カ月に一度程度、ごみが入れられていたという。吸い殻投入は唐突ではない。公衆道徳の衰退、ここに極まれりである。郵便局の象徴として愛された丸型ポストだが、その思いを共有する市民は減ってきているということか

▼公衆道徳とごみが対立関係となって表面化したのは、高速道路のパーキングエリアのごみ箱に家庭内ごみが持ち込まれるようになったのが始まりか。個人的に気になったのは県庁前公園(現・JAグリーン公園)。市民の憩いの場と県はアピールしていたが、金網のごみ箱がいつもごみの山で、周囲に飛び散っていた

▼週に一、二度回収すればいいのにと見ていたらごみ箱が撤去された。ごみは持ち帰りましょうといういうわけだ。市民に責任を丸投げして、清掃の責務から手を引いてしまった格好。絶対量は減ったが、あちこちにごみが目立つ公園になった

▼津市も、公園からごみ箱を撤去して十数年。一時灰皿にごみが積まれたので灰皿も撤去し、かつてはプラスチックごみ、最近はマスクや飲食物のカラが飛び交う公園となった。公衆道徳の衰退と、行政のごみ清掃義務放棄の合作で、ごみのある風景が日常生活に静かに浸透していく

▼長期的に見れば、丸型ポストの撤去も時代のすう勢かもしれない。