2022年4月28日(木)

▼「黒い猫でも白い猫でも鼠を捕るのがよい猫だ」と言ったのは中国の指導者、鄧小平の言葉。Jリーグが理事会で鈴鹿ポイントゲッターズの「Jリーグ百年構想クラブ」資格停止が継続になったことに対し、鈴鹿市の末松則子市長が「支援を行って参りたい」。この言葉を踏まえたものだろう

▼頭が黒でも白でも、まして灰色なら、市にJリーグ規格の競技場を作ってくれる企業はいい企業だというわけだ。一見勝之知事は意図的な敗退行為の指示を「本当に残念」と受け止めながら、県有地をスタジアム建設に貸すことの「公益性を損なうほどにはならない」。より分かりやすい

▼これに対し、Jリーグが判断を6月の理事会まで先送りしたのは、同じ中国の孔子の言葉「渇しても盗泉の水を飲まず」を気にしたのではないか。〝八百長問題〟がプロスポーツを揺るがす例に事欠かない。試合は敗退し、結果的に指示通りとなった。検証委員会は不正行為は認められなかったと結論づけたが、なかったと断定まではしていない。口に入れた水の数滴ぐらいは喉を通った疑いはぬぐいきれないと言っているようでもある

▼政治や行政が、聖人君子の教えを厳格に守っていては立ち行かないことは誰もが知っている。しかし、このところの県政は、相次ぐ不祥事にも処分者を出さないなど、身内への甘さを隠そうとしない。末松市長も「6月の理事会までにガバナンス体制を改善」と、27日までとしていた改善、見守り期間を先送りした

▼当然だと見透かす市民、県民は増えていよう。行政不信が広がっていると言えようか。