2022年2月1日(火)

▼県庁は人事の季節を迎えたという。これから約1カ月弱が、県職員の最も気もそぞろになる時期。コロナ禍が一向沈静化しない中、気の緩みにつながらぬことを願いたい

▼「権力者の空気を読むのに長けた」職員らも、一見勝之知事の「意向は測りかねている」らしい。前知事は「正解、不正解が分かりやすく決断も早かった」が、一見知事は「さっぱり分からない」(中堅職員)。「ハラの中を読ませない」か「ハラの中に何もない」か

▼着任初の人事・機構改革というのに、組織体制も、部局長ポストもこれまでを維持する見込みという。庁内の人心一新も、県政に対する一見ビジョンも、1年間の持ち越しになる

▼印象も、信条も庁内に伝わっていないらしい一見知事ながら、わずかに明確なのが危機管理への「段違い」の意識という。前知事は、東日本大震災のボランティア活動体験を軸にした災害対策が危機管理の中身だった。一見知事は、海上保安庁で尖閣対応など国家の安全保障に関わった体験からの危機管理という

▼コロナへの危機感を伝えるため防災服を着る知事らしくはあるが、海の日が国民の祝日になって初の四日市港での記念式典で、尖閣諸島の緊急事態発生に向かうため海上保安庁の海上パレードが中止になったことがある。国防は国の責務と等閑視できないのは言うまでもない

▼今年を「人口減少対策元年」と宣言し特化した課を設けるとしたことは庁内人事スズメにはあまり重視されていないらしい。人事には関係も、影響もないということか。一見イズムの浸透はこれからなのかもしれない。