2021年12月11日(土)

▼前年度繰越金約41億5千万円の財政調整基金への積み立てを失念し、一見勝之知事が記者会見で陳謝したことについて〝ある職員〟が「あの程度のことで」と言い放ったという。職員気質は脈々と県庁を流れて健在。面目躍如と言えようか

▼改革派を自任した北川正恭知事からライバルの野呂昭彦知事にバトンが引き継がれ、前県政の〝負の遺産〟が是正されていく中で、野呂知事について「いや、扱いやすい」と県首脳の一人が言った。今、職員にとって再び巡ってきた「我が世の春」である

▼喜田健児県議が「前知事のトップダウンが強すぎ職員の積極性が引き出せなかったのでは」と言い、予算編成にマイナスシーリングを外したことに対し、高間伸夫総務部長が「事業の拡大や新事業の構築が難しいとの声が聞こえてきたため」

▼マイナスシーリングは、もともと事業の停滞や、新事業構築の貧困の打破として編み出された。現予算の10%を一律カットし、新事業にうち5%を戻す趣旨。しかし、一部を除き、ほとんどは既存事業の名目を替えただけの焼き直しで、成果はなかった

▼新規事業をとりあえず3年間やるという「サンライズ作戦」も、3年間で廃止になった。いずれも「新事業の構築が難しい」ことの言い訳から編み出された。劇薬として期待されたマイナスシーリングも、難癖が正当性を帯びるタイミングの時期に至り、解除に成功したということだろう

▼「職員の積極性」なるものがあった時代があったかどうか。ひところ戒められた公務員に付きものの「思考停止」の世界が、再び開ける気配。