<まる見えリポート>立憲民主代表選・県内の動き 党再生へ支持さまざま

立憲民主党の枝野幸男前代表の後継を決める代表選が30日投開票される。県内では中川正春衆院議員が西村智奈美元厚生労働副大臣((54)の支持を表明しているほか、逢坂誠二元首相補佐官(62)、泉健太政調会長(47)、小川淳也元総務政務官(50)を推す声もそれぞれあり、支持は分散されている。一方、新代表には国民民主党との連携の再構築を望む声が多くあった。先の衆院選で敗北し、野党共闘の在り方などが問われている中、新代表のもとでどう党を再生し、新たなスタートを切るのか―。県内関係者の声を聞いた。

県内の国会議員で唯一、態度表明している中川氏は西村氏の推薦人を務める。中川氏は「政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟」会長でもあり、「社会が求める多様性に向け、具体的にかじをきれる候補。対外的にアピールもできる」と強調。唯一の女性候補として名乗りを上げた西村氏を新リーダーに、党再生を進めたい考えだ。

立民県連幹事長で県議会会派新政みえの三谷哲央県議は逢坂氏に一票を投じた。北海道ニセコ町長時代からの手腕を評価し、シンポジウムに講師として招いたりと交流も4氏の中で一番多いという。「地方自治に精通している逢坂氏に、地方分権を強力に進めてもらいたい」と期待する。

ほかにも新政みえ県議から逢坂氏を支持する意見が出た。ベテラン県議は「発言も信頼できるし、安心感がある」、中堅県議は「これまでのキャリアを考えると、落ち着いて党の足場を固めてもらえる」と手腕に期待を寄せる。態度をまだ決めていない別の県議は「新代表には地方議員や党員の意思を踏まえて行動してほしい」と注文する。

一方、岩脇圭一津市議は全国の地方議員とともに、連名で泉氏に出馬要請をした一人。泉氏について「我々世代の自治体議員にとって兄貴的な存在で、現場で感じる思いを理解してもらえる」と述べ、「国民民主党との関係構築にも最適。経験、世代などを考えると4氏の中で一番バランスが取れているのでは」とする。

40代の党員も旧国民民主出身の泉氏を「パイプが期待できる」と新代表に望む。「他の野党や連合に配慮しつつ、国民民主との関係を修復した上で来夏参院選に向け広く有権者の支持を広げられる候補だ」と登板を求める。

小川氏を推す新政みえ県議は「逢坂氏の手腕は手堅いと思うが、党が刷新したというイメージを国民に示すにはフレッシュさが必要」と強調。「泉、小川両氏で代表、幹事長を務めるくらいの大胆な変革をしてほしい」と要望する。

支持する候補者は違えど、各議員や党員・サポーターが切実に望む共通項は党の再生だ。

中川氏は「党が寄って立つところの『中道政治』に向け、しっかりと軸足を置いて政策を打ち出すことがあらためて必要」と強調する。

三谷氏は「立民は枝野前代表がつくった党。本来、立民と旧国民が合流した段階で新しい党にしなければならなかった」とし、「新代表のもとで新スタートを切りたい」と意欲を示す。

国民民主との連携を求める声も多い。中堅県議は「共産との関わり以前に、一番時間をかけて関係を構築しなければならなかったのが国民民主だ。それに目を向けずにごまかしてきた」と指摘し、「新代表には国民民主と真摯(しんし)に向き合い、関係を再構築してほしい」としている。

代表選はポイント制で、国会議員のほか地方議員、党員・サポーター票で争われる。1回目の投票で、いずれの候補も過半数を得られなければ、上位2候補による決選投票に持ち込まれる。決選投票には国会議員票などのほか、各都道府県連にも1票が付与される。

集計は党本部で一括行なわれるため、各都道府県連の投票結果は判明されにくい。県連幹部によると、決選投票となった場合、県連票を誰に投じるかはその時点で検討したいという。