2021年10月21日(木)

▼「成長と分配」という自民党に対し、立憲民主党は「1億総中流立憲民主党社会の復活」。「ばらまき合戦」という財務事務次官の飛び入りもあったが、先の2つが代表的な争点、あるいは問題提起と言えようか。分配に不具合があり、また、かつて国民の大半が自身を中流と位置づけていた構図が崩れ、結果、格差が拡大し、中流層の底が抜けた―認識は同じと言えなくはない

▼衆院選が告示され、県内では小選挙区に10人立候補し、比例東海ブロック単独に3人が擁立された。問題解決には、自民は成長によって、立民は所得税、消費税減税や超大企業の優遇税制是正で、ということになるのだろうが、有権者が投票判断できる論戦はどこまで期待できるか

▼第一声や各党談話で掘り下げた気はしなかった。具体性はともかく、安倍・菅政権への評価、コロナ対策がメインになったのは当然。単なる自党・派への支持の呼びかけも。各選挙区を歩く本紙企画では〝知名度〟が焦点で、特に新人候補にとって切実な問題

▼川崎二郎前職の後継として8期の中川正春候補に挑む2区の川崎秀人候補の秘書が泣きどころとされる四日市市の商店などを回った。チラシを受け取った中年の女性が隣の同僚に「誰かの息子なんやろ」。その場にいた男性全員も「誰かの…」

▼中川民英、坊農秀治、鈴木英敬の新人3候補が激突する4区。公示日、鈴木候補は朝から鳥羽市商店街で演説。地元の話題を取り込み、切れのいい語り口で好評。坊農候補が訪れたのは昼前。昼食準備で顧客は散り、お願いコールだけ。戦いはこれからである。