2021年10月22日(金)

▼教諭出身の小島智子県議が性暴力被害の未然防止と対応について質問するというので注目したら、教師が犯すスクールセクハラではなく、児童生徒間の問題だった。「教育関係者から子どもへの事案は法改正で厳しく処罰されることになったが」とさらりと通過してしまったのはいささか現実離れの気もしたが、それはそれとして、児童生徒間の性暴力も深刻だ

▼ことがことだけに平成27年から運営している「みえ性暴力被害者センター」の活動状況は見えにくいが、小島県議によると、相談件数は年々急増し、令和2年度は623件で前年度比2倍。うち10代が105件で、同3倍。自身が見聞した事例というのも紹介。同じ学校内に被害と加害の児童がいて「どう対応していいか困った」と学校関係者が語っていたそうだ

▼「学校は性暴力被害、加害の専門的知見を持ち合わせているわけではありません」と当たり前のごとき指摘が、門外漢をあ然とさせる。児童生徒間の性暴力は今に始まったことではない。最も安全で、安心して学べるべき場であるはずの学校が、実は危険と背中合わせで、長く無防備状態であることを問わず語りしている

▼「指導体制、チームとしてのマニュアルがない」「(事案発生時の)学校の対応や、今後の対策が知りたい」などの回答が養護教諭らへのアンケートの結果だったとして岡村順子環境生活部長が「共通の指針作成が重要。早期発見し適切な対応をしたい」

▼「満点の回答」と小島県議はマスクの下でにっこり。問題は木平芳定教育長の答弁が一度もなかったことにありか。