2021年10月19日(火)

▼鈴鹿市にJリーグ規格のサッカースタジアム建設計画が民間レベルで浮上した。女子サッカープレナスなでしこリーグ一部の伊賀FCくノ一三重がプロリーグ「WEリーグ」参入の選に漏れたのはリーグ基準を満たしたホームスタジアムを持たなかったためという。Jリーグ参入も同様だろうから計画は喜ばしい。が、住民説明会は不調だったようだ

▼令和5年2月の完成の目標というが、着工は未定で、資金計画も説明されない。運営会社代表が「公共事業でないので公表の義務はない」と言ったというから、場の空気もあるのだろうが、けんか腰みたいで「住民への説明会」の名が泣く

▼計画地は県営公園鈴鹿青少年の森の一角。サッカー場を備えた県営鈴鹿スポーツガーデン近くである。整備されたのは平成4年。計画段階で、Jリーグ規格にどう対応するかが問題になった。アマチュアの日本サッカーリーグ(JSL)の時代で、プロ化は同5年の予定だが、細部まで決定されていない

▼「せっかく造るのだからJリーグの試合を招致できる規格にしたいのだが、1年ごとに規模が大きくなる」(県幹部)状態で、一度決めた規格がひっくり返り、工事費もふくれあがった。「また変更される可能性もあるし、県内にチームがあるわけでもない。試合を誘致できないくらいはまあ仕方ないか」(同)

▼この決定が「競技力の向上、生涯スポーツの振興に資する」という同ガーデンの目的を今日、満たしているといえるかどうか。伊勢市の県営競技場も似た経緯だが、中途半端な施設を造ってしまったと言えなくもない。