2021年10月3日(日)

▼秋の全国交通安全運動(9月21―30日)の県内での実施結果は、交通死亡事故件数は前年同期比2件減の1件だが、人身事故件数は19件増の75件だった

▼全国の傾向に比べ、県は交通死亡事故の減らない特異な県だった。人身事故件数そのものは減っているのに、死亡事故は減らない。いつも年末ぎりぎりまで前年比で増加か減少が判別できない横ばいの状況が続いていた

▼今年は打って変わって死亡事故は前年比で大幅減で推移し、先月30日現在で21人減の36人。人身事故も年累計180人減の1990件。交安意識が浸透した結果か、今年特別な現象か。コロナ禍で、経済活動の停滞や人流が抑え込まれている状況を考えると、楽観はしにくいし、交安運動結果はその兆しを感じなくもない

▼死亡事故の1件は、四日市市の市道三差路で起きた自転車と車の出合い頭の衝突。自転車側の道路に「止まれ」の標識があったとされる。自転車に絡む相次ぐ人身事故を反映しているが、前年比202件増加した違反に伴う指導取り締まり項目に「自転車」はない

▼全国の運動結果でも、前年比25人減の63人の死亡者の中で自転車乗用中が10人。状態別では第4位で、3位のバイク乗車中の12件を加えると、トップの「歩行中」24人に迫る。交安教育の有無や運転者のヒヤリ・ハット体験から考えると、自転車はバイク以上に危険なのではないか

▼桑名署の取り締まりでは横断歩道上の死亡事故に合わせ一時停止に目を光らせたという。スマホのながら運転も目につく。重点対策は必要だ。