2021年9月29日(水)

▼「ひどいじゃないか」「何が、ひどい」というやりとりが関東型で、「ひどいじゃないか」「ひどいでんな」が関西型。「どうしてくれる」「どうしましょう」と続き、けんかにならない。落語家桂文珍さんが唱えていた。三重とこわか国体・大会の延期断念に、一見勝之知事は「競技団体やアスリートが納得できない気持ちはよく分かる」「私が当事者だったら同じ気持ち」

▼さすが亀山市出身。関西型話法が身についている。対し、「国体に代わるような大規模な大会を催せないかを考えたい」というのは、お役人の昔ながらのガス抜きという手法か

▼10年来、県民に約束してきた事業を知事交代であっさり翻す。理由を聞きたいのはむろん競技団体やアスリートだけではない。「丁寧に話をするところから始める」(知事)というのはその通り。中止を決定してから始めることでもない

▼本紙『株式展望』欄に政府高官が教えてくれる「ドル円相場の読み方」。1ドル=102円後半の局面に当時の岡村健司財務官が「動向を注視している」。100円割れを望んでいないという趣旨という

▼麻生太郎財務相の「為替等の話を米財務長官としたことはこの数年間一度もない」の国会答弁。数年間を「5、6年」と仮定して、その間のドル円相場に米側の不満はないという意味という

▼政府高官の語法が難解なのは「遺憾」だけではない。緊急事態宣言解除後のコロナ対策について、一見知事は「近隣県は完全に一段落してはおらず、対策を緩めるべきでない所もある」。県は「完全に一段落」と認識しているようでもある。