2021年3月8日(月)

▼長崎県警の40代女性警部が交際相手の報道機関男性に捜査情報を漏らしていたとして書類送検された。「情報が記事化されることが(男性の)喜びだと感じ」自分の喜びでもあったと供述した。同県警は、男性側からの働きかけはなかったとしている

▼働きかけは当人同士でもはっきりしまいが、事実は小説よりも奇なりではある。沖縄返還交渉に絡む外務省機密漏洩事件以来、嫌がる女性公務員に特別の関係にある男性記者が情報を強要するのがサスペンスドラマの定番。実際はそう単純でないことをうかがわせた

▼もっとも、財務事務次官のテレビ朝日女性記者に対するセクハラ事件も男と女の関係でみれば定番通りだが、権力側、情報を握る側が圧倒的に強い立場にあることもはっきりさせた。女性警部と男性記者の場合はどうだったか。女性活躍の時代。今後を示唆してもいる

▼村木厚子さんが厚労事務次官だったころ、共同通信加盟社論説委員会議で安倍内閣の女性活躍政策について「私もまたか、と思いましたが、どうやら今度は本気のようで」と語った。女性初の内閣広報官になった山田真貴子氏がその証左だったかどうか。黒川弘務元東京検事長の定年延長を巡る国会審議で答弁を翻した人事院の松尾恵美子給与局長が女性初の同事務総長に昇進したのはどうか

▼山田前広報官の続投を決めた菅義偉首相は「女性の広報官として期待している」と語った。東京五輪・パラリンピック組織委は女性理事を半数に引き上げた。女性活躍は確実に浸透しつつある。打算と女性の旧来の男性化を見え隠れさせながら。