2021年3月9日(火)

▼令和7年までに女性候補者割合を35%にするという政府目標について、女性国会議員に対する共同通信のアンケートでは66%が「達成困難」と考えていた。東京五輪・パラリンピック組織委の女性理事のような具合にはいかないことを内部にいる当事者らが肌身に感じているということだろう

▼アンケートは8日の「国際女性デー」にちなんで実施されたが、この記念日については近年ほとんど顧みられることがなくなっているか。明治43年にデンマークのコペンハーゲンで開かれた国際社会主義者会議で提唱されたことに始まるが、国際婦人デーの命名は昭和50年の国連婦人年によってであり、県も同年、記念のシンポジウムを開き、高橋展子デンマーク大使(当時)が講演して、男女で仕事を固定しない同国の事例などを紹介した

▼同年の「私作る人、僕食べる人」のCMが2カ月で中止に追い込まれたのもこの年で、男女別の募集に厳しい目が注がれるようになった。県も「青少年婦人課」を「子ども・女性課」などに改めている。以来50年、女性県議は0―1人から6人に増えたが比率は1割で、前回県議選では過去最多の12人が立候補したものの、当選数は6人のままだった

▼定数減が検討されている中で、前回以上の立候補者が期待できるか、予断を許さない。その中で、先の議長会見で正副議長とも選択的夫婦別姓制度導入に賛成の意思を示したのは、愁眉を開く思いがした。自民党に反対が多く、国会議員の導入反対要請に毅然とした態度で臨む姿勢も明確にした

▼歩みは遅くても後退していない。