2021年2月13日(土)

▼伊勢市選挙管理委員会が県立宇治山田商で、一部が今年選挙権を持つ2年生を対象に主権者教育の出前授業をした。「選挙は難しそうだと思っていたが、興味が持てた。投票することが政治参加になると分かったので、積極的に投票に行こうと思う」と生徒。鉄は熱いうちに打てで、20歳で自動的に得た自分とは比較にならぬ意識の高さだ

▼惜しむらくは今秋の市長、市議選対策というのにその生徒の選挙権は来年になりそうなこと。出前授業は「初めての実施」というのに全員が選挙権を持つ3年生対象でなかったのはなぜか。「18歳選挙権」が導入されて5年。県立高としても久々の話題ではないか

▼県のホームページの主権教育関係はほとんど5年前だし、市選管の講師が引用した10、20代の投票率の低さも全国統計だ。国に報告はしても、県のデータが啓発など、活用されることはないということだろう。副読本として主権者教育の冊子が学期始めに配られるだけ、と3年ほど前のある県立高生の事情はそう変わっていないのではないか

▼投票率は、県も回を重ねるごとに低下している。一昨年の知事選挙も、得票率では鈴木英敬知事の圧勝だったが、投票率は前回を下回り、過去5番目の低さ。低投票率に悩んだ田川亮三元知事が自身の辞任時期で県議選との同時投票にした苦肉の策だが、県議選も低下傾向。県政や選挙離れが進んでいるということだろう

▼市選管の「初めて実施」にやむにやまれぬ気持ちがくみ取れる。2年生対象にもそうせざるを得なかった事情がうかがえる気がしたが、うがち過ぎか。