2020年11月8日(日)

▼南伊勢町の5年後は人口が約70%減というのは衝撃的である。総合計画「新絆プラン」で回避するため、外部有識者の意見を聞くオンライン会議が開催された。深刻さが浮き彫りになった気もする

▼同プランは町政の最上位計画として令和元年9月策定。若者移住や子育て、町の魅力発信などで30年後の年小人口(0―14歳)をV字回復する。基本構想が「町民起点のまちづくり」

▼北川正恭知事(当時)が掲げた「生活者起点の県民サービス」が連想され県職員として主要施策に関与した小山巧町長のリーダーシップをうかがわせるが、5つの目標ごとに「10年後のあるべき姿」実現させていくという。5年後に迫った危機に間に合わうか

▼産官学各分野から選任した18人の外部委員は若者移住定住の推進▽活力ある水産業▽多様な人材の活躍―の3施策を評価し、進捗状況や今後の方向について質問や意見を出したという。時間との競争について危機意識はなかったか

▼南伊勢町は旧南勢町と同南島町が合併して平成17年に誕生した。南島町は中部電力の芦浜原発建設計画の地元で半世紀にわたり推進、反対派に分かれて対立した。歴代町長は反対派が就いたが、地域振興との兼ね合いで悩み続けたのは、最近の核のゴミ最終処分場調査に名乗りを挙げた北海道の2町の事情に似ている

▼国道、県道整備が進んだが「定住者が増えず、若者離れが加速しないか」と心配した町長がいたが、杞憂ではなかったことを思い知らされる

▼「従来の施策を革新的に変える必要がある」と小山町長。同感。さて、どうやって。