2020年10月18日(日)

▼自民党県議団の津田健児県議がかつて三谷哲央県議(新政みえ)に対し、父で元県議会議長の勉氏とともに「なぜ自民党ではないのか」と追及したエピソードを県議会で語った。昭和30年(1955年)に始まり38年間続いた政党政治体制が崩壊した激動の時代の裏面史を聞く思いがする

▼宮澤改造内閣不信任案に賛成した岡田克也衆院議員らが自民党を離党した平成5年で55年体制は終止符を打つ。その3年前に元国家公安委員長の山本幸雄衆院議員から地盤を引き継いで岡田氏が衆院選初当選。山本議員の秘書だった三谷県議も岡田議員の秘書へと移り、北川県政が誕生した2年後の同7年、県議選に初当選している

▼津田議員の話は、この県議選に絡んでのことだろう。山本宅での恒例の新年会の席上という。山本氏自身は議員を引退し、岡田氏の自民離党を支持し、自身も離党して新生党(当時)に入党したころか

▼新生党党員の山本氏の家で、同党系として出馬、もしくは同党系県議らの会派に属した三谷県議を、長く自民党時代の山本氏と苦楽を共にした元秘書仲間が「なぜ自民党ではないのか」と追及する。見方によっては三谷県議を矢面にして山本氏に物申しているようでもある

▼同氏は三谷県議に「自分が正しいと思うことを信じてやりなさい」と言った。その心境も興味使い。岡田氏への地盤譲渡は、秘書ら周辺にとっても意外だった。55年体制崩壊は自民王国から民主王国への転換でもある

▼津田県議が語るエピソードに山本氏とかつての秘書団との微妙な息づかいが聞こえてくる気がする。