2020年10月6日(火)

▼市長選挙と同日選にするために自主解散するという志摩市議会の議会解散決議案が否決された。定数19のうち賛成13、反対6。倍の賛成票がありなから否決になったのは法が5分の4以上の同意を求めているためで、市民から選ばれた議員を議会の都合で解職させるのだから当然のハードルだろう

▼平成16年の5町合併で議員の在任期間を特例制度を使って延長したため市長選から1年遅れとなった。その結果、選挙で「余計な財政支出」がかかるようになったため今回是正するのだと提案説明は言っているように聞こえておかしかった。議会と首長選挙の日程に当事者らの意図が入り込むことに懐疑的なせいもある

▼知事選挙の低投票率に悩んだ三代前の田川亮三知事が県議選との同日選をもくろみ、自身の引退時期を合わせた。効果は一時的にあったように見えたが、長期的に低落傾向にある。県議選も見る見る低下し、知事選に埋没するきらい。県民、市民の県政、市政への関心を抜きに制度を考えることは、肝心の地方自治のあり方が衰退しかねない気がするのである

▼解散決議案はまた、市長選の落選者が翌年の市議選で当選してくる批判もあるという。首長選の落選者が市議や町議として市町政に参加する例はよくあることだか、新市誕生以来の4回の市長選が同じ顔ぶれで、市長、市議を交互に繰り返してきた志摩市特別の感情だろう

▼18日の市長選を前に恒例の公開討論会が急きょ中止になり、市議補選に絡み市長選の関係への臆測が飛び交うという。合併市の胎動が今も続いているのかもしれない。