2020年10月7日(水)

▼平成13年の中央省庁再編で旧厚生省と労働省が合併し、厚生省の児童家庭局と労働省の女性局が雇用均等・児童家庭局へ統合された。当初は局内でかんかんがくがくの議論が繰り返されたと元同省事務次官の村木厚子さんが述懐していた

▼子育て支援、児童福祉、保育行政が中心の旧児童家庭局と、男女の機会均等政策や仕事と家庭の両立支援など,働く女性のための施策を推進する旧女性局では、女性に対する見方が水と油ほど違ったというのである。前者は母親としての女性を、後者は自立する女性の支援を、となろうか

▼委員会のオンライン審議を目指す県議会のプロジェクト会議で、児童生徒の教育の専門家でもある津田健児座長が、オンライン審議を認めるかの範囲について「育児や介護までは行きすぎだと思う」。育児や介護を担う県内の男女比は知らぬが、圧倒的に女性に委ねられているのではないか

▼1月に鈴木英敬知事が「男性育休100%宣言」をした今後はともかく、県でも昇進の辞令が出たり、内勤からの配置換えになった女性職員が「家事との両立ができない」と大量に退職していった。初代こども局長も、母親の介護で定年1年前に退職した

▼世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数(令和元年)で日本は121位。特に女性議員の少なさが原因とされる。女性が目ざしやすい職場環境の整備は喫緊の課題だろう。果たして育児や介護まで含むのは行きすぎかどうか

▼連日の激しい議論を経て互いに相手をを理解するようになった、と村木さん。県議会も大いに議論を戦わせてほしい。