2020年6月2日(火)

▼桜もゴールデンウイークも、今年は心を浮き立たせなかった。それだけに緊急事態宣言延長後の当初の解除予定、6月1日は周囲を見る目が改まった気がする

▼津市内を車でざっと巡った。まばらに歩く人のほとんどがマスクをしていた。郊外の運動公園で開かれていた児童対象のフットサル教室に付き添う母親らも全員マスク姿。ゴールデンウイークに家族連れなどでにぎわったとはいえ「密」にはほど遠かった公園部分の駐車場に打ち込まれた「県外からのご利用はご遠慮ください」の看板もそのまま

▼県が新型コロナウイルス感染者の全員が31日までに退院したと発表したことが、県外移動の自粛呼び掛けの解除を印象づける唯一のニュースということかもしれない。県民の緊張感は、完全には解除されていない

▼退院した3人のうち2人はPCR検査2回陰性。1人は5月29日改定の新退院基準適用で1回の陰性。発症から10日内に改善し、その24時間後の検査で陰性だったということだろう。入院患者計44人のうち重症化した人はいない。陰性と判断されながら死亡後陽性が確認された1人が悔やまれる。第2波への備えのためにも、検証すべきだろう

▼東海3県の知事が観光地の早期再生を目指す共同宣言をまとめた。共通クーポンやスタンプラリーなどで3県の周遊を促す。いきなり海外や全国からは「難しい」(鈴木英敬知事)ための取り組みという。「コロナ社会の新たな観光産業構築」(同)と別なのかどうか

▼名古屋市抜きで「足並みをそろえる」ことの意義も聞いてみたい気がする。