2020年3月11日(水)

▼政府からの臨時休校要請を受け廣田恵子県教育長が「びっくりした」。そりゃそうだろうが、一方で、えっ、そうなのかという相反する思いがある

▼何しろ、安倍晋三首相が突然休校要請を言い出した前日、県教委は教育現場での感染者発生時の対応方針や卒業式の縮小策の検討を県立学校と市町教委に伝えている。一晩でひっくり返さなければならない可能性に直面したのだ

▼市町教委の問い合わせに回答するまでほぼ一日を費やしたなどの報道もあった。驚きぶりが分かろうというもの。北海道知事が道内の小中学校の休校を要請したのが、県教委の先の対応方針と同じ26日。県教委は、北海道の方針を結果的に無視していたことにもなる

▼習慣の中に安住し、今日があしたも続くことに疑いを持とうとしない県教委らしくはあるが、遠い北海道ではなく、大阪府や愛知県の決定だったらどうだったか。廣田氏が教育長ではなく、教育次長や総務課長などで着任していたら調査していた気がするのだ

▼「県に関係する他県の判断は調べる。まして大阪府のような大きな自治体なら」と昔、県職員時代の廣田氏に聞いたことがある。新型コロナならむろんだろうが、北海道だったらどうか

▼政府要請に「休校の判断をしなければならないと手続きを進め、子どもたちに負担が掛からないようにした」。うまくいったかどうかはともかく、事務局から事前に北海道の詳細が報告されていたら、クオリティーは違っていたかもしれない

▼就任時は行政マンを自認した廣田教育長だが、その自負からはとうに脱皮しているか。