2020年3月7日(土)

▼伊勢志摩サミットの前だが、志摩観光ホテルの客室回転率を聞いて、低さに驚いたことがある。夏場はまあまあだが、冬場対策が懸案という話だった

▼北海道で新型コロナウイルスの感染が拡大した理由の一つに2月の雪祭りがあげられる。県は「クラスター(集団感染群)がないのは県民による努力のたまもの」と鈴木英敬知事。たてつく気はないが、集団感染が起きたところすべてが県民の努力不足ということでもなし。シーズンによっては県もかなりのダメージを受けた可能性は否定できない

▼小中高校の休校は県内にも混乱を引き起こしている。休校翌日に県教委は自宅待機が難しい児童の学校受け入れを市町教委に要請した。休校策に疑問符がつく事態になっている

▼パートで働く保護者が休むことで、勤務先ではシフトの変更や、ほかの従業員へのしわ寄せも進む。津市近郊の学童保育所は休校となった2日以降、午前中から児童を受け入れているが、夕方早めに閉所するなど、人員不足を垣間見せる

▼品不足のトイレットペーパーは6日、新入荷したスーパーで大量に抱える客がレジに並んだ。マスクなどの品薄は変わりなく、出がけの体温測定を義務づける塾や企業のせいか、体温計も店頭から消えつつある

▼「県民の努力」は一方でひずみも生んでいる。県は4日、備蓄のマスクの配布を発表した。あるのなら、もっと早く発表し県民を少しでも安心させることはできなかったか

▼「不安が不安を呼ぶと社会が混乱する」と鈴木知事。具体的には、臆測やデマとなり人を走らせることは歴史が証明している。