2020年1月16日(木)

▼県立高校卒業予定者の就職内定率が前年同期を下回ったことについて、県教委が昨年11月に要因としてあげたのは、選考試験の結果待ちや内定時期の遅い公務員希望者などが増えたこと―だった。この14日には、受験先を決めかねている生徒が増えたためという

▼いずれも「要因の一つ」という断りはある。あげた要因だけが原因とは言っていませんよ、と言う予防線はしっかり張っているということだろうが、受験はしたのか、していないのか、はっきりさせてくれと言いたくならないか

▼三重労働局も同じ調査をしている。公務員など学校やハローワーク紹介以外は対象外だから数字は違うものの、この5日の発表では同じ傾向。しかし、昨年9月段階では前年同月を大きく上回っていた。昨年は過去最高だったから落差は激しい。10月の消費税増加が影響していると見るのは、素人考えだろうか

▼労働局は求人状況についても調べている。製造業はじめ主要業種が軒並み減少しているが、人手不足の卸・小売業やサービス業が伸びて全体は過去最多という。同局が内定率減ながら、調査開始の平成14年度以降では過去2番目に高い水準だとし、県教委が10年ぶりの前年同期比減ながら高水準を維持したとする中身の危なっかしさを浮き彫りにする

▼県内倒産状況が昨年12月、3カ月連続2ケタ台で志摩市の越賀漁協が破産手続きに入った。全国的にも昨年一年間、11年ぶりの増加に転じて9割零細企業。消費増税の影響でサービス業で顕著という。県教委の就職担当者らにはあずかり知らぬことではあろうが。