2020年1月15日(水)

▼「元来、成人式は新成人が大人になったことを自覚するため」と本紙。何となくだが、そんな思いで出席した半世紀前がよみがえるが、今の新成人はどうか。祝日法はもうひとつ「みずから生きぬこうとする青年を祝いはげます」の意義を記載する。式を主催する方は、こちらが目的ということだろう

▼ハッピーマンデー制度の導入で小正月の15日に定められていた「成人の日」が不定期になり、どちらも祝う気持ちが減衰してきた。選挙権が18歳以上に引き下げられ、二年後から民法の規定も引き下げられるというのに、津市の前葉泰幸市長は早々に法改正後も20歳を対象に開くことを宣言した

▼ふるさと納税では朝令暮改している。世間の風向きでまたころりと変わるのかも知れないが、理由が「18歳は進路選択の大事な時期」だと子ども扱いだ。成人式に出たら進路選択に支障がでると言われては、当の18歳もきょとんとしないか

▼20歳にするのなら主権者教育や消費者教育が必要というのも、その責任の一端を担うのが市長の言葉とは思えない。それは県や国の役目で、市長の関知するところではないというのだろうか。法改正前に古巣の総務省にもの申したらいかがだったか

▼もっとも、県の18、19歳の投票率の関心の低さが、前葉市長の発言の背景にあるのかもしれない。「進学や就職で地元を出た20歳に帰省してもらえる」という理由は立場上、成人式業界などから頼まれごともあるのかと同情もする

▼伊賀、津両市以外、特段発言する首長はいないらしい。横並び意識は健在ということか。