<1年を振り返って>三重県議選 自民系奪還、勢力図が一変

【幼保無償化の対象拡大を求める請願を反対多数で不採択とした本会議=20日、三重県議会議事堂で】

任期満了(4月29日)に伴う県議選(定数51)は同月7日に投開票され、自民系が20年ぶりに最大勢力を奪還。改選前から続く「定数問題」では、有識者らの調査会が設置され、議論がスタートした。

県議選では、17選挙区に現職42、元職3、新人20の計65人が立候補した。新政みえが最大勢力を維持するか、自民系が奪還するかが焦点となり、県議会の「定数問題」などが争点だった。

自民系は23議席を獲得し、前回より2議席を増やした。一方、新政みえは前回より1議席を減らして21議席に。新政みえと友好的な草の根運動いが(1人)を含めても、22議席にとどまった。

改選後は自民が議会の主導権を握る。朝鮮学校が提出した幼保無償化の対象拡大を求める請願は、自民系などの反対で不採択に。議員提出で制定する方針の県産材利用促進条例(仮称)も自民系の提案だ。

勢力図の変化は、正副議長選の結果にも影響した。改選前の議会では、新政みえが議長、自民系が副議長を務めてきたが、改選後の正副議長選では自民系が議長を奪還、新政みえは副議長に退いた。

新議長の中嶋年規氏が早々と着手したのは、定数と選挙区に関する調査会の設置だった。前議長からの「引き継ぎ」とはいえ、就任1カ月余りでの設置は、同僚県議からも「スピード感がある」と評価された。

定数問題は改選前から続く課題だ。自民党県議団は「一票の格差」を是正するよう訴え、定数の削減を主張する。これに対し、新政みえなどは人口減などで課題のある南部地域の定数減を懸念する。

改選前の議論は平行線をたどった。結局は定数を6減の「45」で実施するはずだった4月の県議選は「51」に戻して実施されることに。議論がまとまらないまま定数を戻したことへの批判が相次いだ。

中嶋議長らは、調査会の有識者から定数や選挙区のあり方に対する客観的な意見を聞いた上で、県議会での議論に反映させたい考え。調査会は来年8月にも議論をとりまとめ、議長に報告する予定だ。

ただ、調査会は具体的な定数や区割りまで言及するわけではない。調査会の終了後は改選前と同様、議員らが特別委員会を設けるなどし、次回の県議選に向けて再び定数を巡って議論を交わす見通しだ。

新政みえは自民系に最大勢力を譲ったため、定数の条例改正に踏み切った改選前のように「数の力」で押し切ることは難しい。また、過去には定数問題に絡んで議員が会派を離脱しており、必ずしも「一枚岩」ではない。

他方の自民系も単独過半数には及んでいないため、定数の条例改正には他会派との調整が不可欠。さらには定数問題などを巡って会派が分裂しており、最大会派は依然として新政みえに譲ったままだ。

議会内には「調査会からとりまとめを受けても、議員それぞれの意見は変わらない」「県議会では今後も堂々巡りの議論が続くだろう」との懸念もある。次回の県議選に向けた建設的な議論が求められる。