2019年11月27日(水)

▼ホームページ(HP)という言葉が新聞に登場したころ「意味が分からない。かっこ書きで注釈を入れろ」と記者に支持して嫌がられたことが記憶に新しい。今やアプリ、ソフト、プラットホームなど、次々新しいIT用語が飛び交い、意味をたぐるとますます分からなくなる。サーバー、クラウドもそういった類いか

▼災害情報を登録者に電子メールで通知する県の「防災みえ.jpメール配信サービス」が配信できない状態で復旧のめどが立たないという。またか、と言っていいのかどうか。「防災みえ.jp」が県南部に大雨警報が出ている中で約1時間、閲覧不能になったのは先月19日。この時はHPの情報を外部で保存する「クラウド」の保守整備中の不具合だった

▼今度はHPは健在で、災害情報を配信するサーバーの問題。災害情報自体はHPで確認できるし、別の無料通話アプリ「LINE」を通じた災害情報発信サービスも機能している

▼一つがダメなら別のルートで―これぞネット時代のセキュリティーと胸を張るか、故障続きで、本番で予想外の負荷がかかったら大丈夫かと不安にかられるか。楽観と悲観の違いではすむまい

▼気がかりなのは、前回のHP閲覧不能について「近く委託先から最終報告」の段階ということ。先月28日の県議会でその説明があり、いまだ「近く」ではいざという時に間に合うか。脅威が増す災害の備えとして心細い

▼3年前に自前のサーバーから委託に切り替えた。安全をIT業者に委ねたということだが、防災対策部は「システム強化の目的」。楽天家ではある。