<まる見えリポート>バレー男子V2開幕・初参戦ヴィアティン三重に期待

【コート上でストレートに感情表現するヴィアティン三重の選手たち=2018年11月、津市のサオリーナで】

バレーボール男子のVリーグ2部(V2)が今月開幕した。12チームが2回総当たりで対戦しV3から初昇格したヴィアティン三重は16日に川越町総合体育館で富士通カワサキレッドスピリッツと開幕戦と戦う。2016年に発足した県内唯一のVリーグチーム。2021年のV1昇格に向けた地固めの期間としてS1ライセンス申請は見送ったが、観客動員増や県内のバレー人口に向けた積極的な仕掛けを今季も試みる。チーム強化を担当する亀田吉彦監督も「V1を目指すシーズンの序章。1年目から表彰対象の3位以内を目指して行く」と語り、攻めの姿勢を強調する。

V3最終年度となった昨シーズンの成績は勝ち点49(通算成績17勝3敗)の2位。勝ち点51で優勝したヴォレアス北海道(同18勝2敗)と最終週まで優勝争いを繰り広げた末に惜敗したが亀田監督は「手応えを感じたシーズンだった」。

スタメンを固定せず、セッターもセット毎に入れ替えた。ベンチ入りの14人全員が出場した試合もあった。守備の要のリベロで、NBKdreamers、つくばユナイテッドSunGAIAを経て2018年に加入した33歳のベテラン米村尊選手も最初の印象は「こんなチーム初めて。戦術も雰囲気も」だったと笑う。

若い選手の多いチームの経験値を上げる狙いもあった「全員バレー」(亀田監督)だが次第に対戦相手の的を絞らせない強みになった。オープン系のトスに定評のある野垣昂大、速いトス廻しの石川和樹の持ち味の異なるセッターと、最高到達点340㌢の諏訪晃大ら多彩なスパイカー陣を組み合わせ、多彩な攻撃を仕掛けられるようになった。

守備も鹿児島商高時代の2014年春高で準優勝メンバーになったこともある23歳のリベロ、大浦坂健太選手の加入でさらに安定。V21年目に向けては関東大学1部リーグの新卒選手の加入も決まっており、さらなる攻守の強化が期待される。

ヴィアティン三重の昨季の観客動員数は平均約1000人でV2、V3リーグで最多動員を記録した。バスケットボールのBリーグを参考にしたチアリーダーのパフォーマンスや映像を駆使した華やかな演出に加えて、試合中も笑顔を絶やさない選手らが醸し出すチーム独特の雰囲気に魅了されるファンも多いという。

昨シーズン大卒ルーキーとして加入し、最初は雰囲気に戸惑ったオポジットの北田陽季選手はチームに溶け込むうち、プレーに変化が出てきたと言う。思い切りの良さが加わり、持ち味のキレのあるスパイクに加え、ジャンプサーブも決まるようになった。

「皆に楽しんでもらうためにまず自分たちが楽しむ」。今はそれがヴィアティンの強さと感じるという。副主将として臨む2年目の今季「一番の目標は優勝だが自分たちのバレーをより多くの人たちに知ってもらうことも目指したい」と話している。