2019年11月3日(日)

▼いつまで続くか、いじめ件数の過去最多記録の更新。というより県教委の「積極的にいじめを認知するようになったため」という十年一日の増加理由。いじめが増えたのは認知方法のせいで、現実は何も変わっていないと言っているかのよう

▼「いじめ、暴力はなくならない」からそれを前提に対応を考えた方がいいという前田光久教育委員会委員長に対し、山口千代己教育長(いずれも当時)が、根絶できないと言っては当の子ども、保護者にしてみたら許されないとし「なくしていきたいという熱い気持ち」を持ち続けることと、発覚するまで待つ姿勢を戒めた平成28年1月の総合教育会議の論戦が懐かしい

▼「熱い気持ち」がすっかり影を潜めたのは、事前察知に有効とされる児童生徒アンケートの無記名式がいまだ4割弱という事実でも分かろう。無責任な情報に振り回されてはかなわんという学校当局側の意向が透けて見える

▼先の総合教育会議では、山口前教育長が「ネットへの対応をしっかりやる」ことを課題として強調した。今回県教委はネットいじめが学校側からは見えにくいため「子どもたちが相談しやすい環境を作る」。おや、これからなの、という気がする

▼お笑いはその裏に差別を含んでいる、と言ったのは養老孟司さんだ。障害者対象のテレビ番組で、耳障りなお笑い芸人の言葉が多いが、いじめ態様で「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」がダントツなことをどう思うか

▼「いじり」「じゃれあい」などが態様に上がっていない。それらはいじめとは区別すべき、区別できる、と思っているからかもしれない。