2019年10月11日(金)

▼県がキャッシュレス比率を6年後は50%に引き上げることを決めた。政府のポイント還元制度でキャッシュレス化の機運が高まっていることを受けたそうで、自治体が長期的方針を策定するのは全国の都道府県で初めてという。県の国追随も水際立ってきた

▼同時に監視国家、中国の後を追っていると言っては言い過ぎだが、国がポイント還元でキャッシュレス化を進める背景にマイナンバーカード普及の狙いがある。収入の把握や事務の効率化など自治体の効果が著しいといわれるが、住民にメリットがないのが普及を阻害しているともいわれる

▼県のキャッシュレス化目標も県民の特典は特にないようだ。ポイント還元制度が国のメリット案として、県の描く6年後はその効果もあるまい。緊褌一番は県予算に対する鈴木英敬知事の命名だが、他人のふんどしも使う気かもしれない

▼マイナンバーカード普及策としてスマートなのが津市の前葉泰幸市長の「シルバーエミカ」施策だ。路線バスの高齢者無料化計画が行き詰まった平成29年、古巣総務省からマイナンバー活用の自治体利便性戦略を熱く語られ採用。高齢者識別システム1億円の開発費を浮かせた

▼国の同戦略はボランティアなど自治体発行のポイントはじめ地元商店街、クレジットカード、マイレージなどの各ポイントも導入して経済の好循環を拡大するスケールの大きいプロジェクトだと前葉市長は解説する

▼マイナンバーカード普及困難層の一つ、高齢者に津市は国と連携してとっくに切り込んでいた。県よりは手際はいいが、より不気味ではある。