2019年8月21日(水)

▼RDF(ごみ固形燃料)貯蔵庫爆発事故の追悼・安全祈願式で、RDF事業の教訓について、鈴木英敬知事が「勇気ある撤退も時には必要。一回決めたので前に進むことだけが行政の仕事ではない」。ご念には及ぶまい。その〝勇気〟というか、〝逃げ足〟は何度も見せられてきた

▼RDF事業主体の企業庁で言えば、同事業の前の青山高原分譲事業か。別荘ブームで飛びついたが、ブームが去るとまったく売れない。議会でちくちくつつかれるし、世間体も悪い。後始末を旧白山町に押しつけ、県事業としては店じまいしてしまった。同町長が不平の声をあげたが〝持参金〟をはずんで厄介払いした。〝飛ばし〟と言えなくもない

▼RDFは、一般ごみを市町村固有の業務と定めた行政の分掌違反。「市町は処分場問題で苦しんでいる。救済するのも県の使命」など歯が浮くようなことを言って、市町を巻き込んだ。長い目で見れば〝勇気ある撤退〟〝三十六計逃げるが勝ち〟を繰り返してきたことになる

▼教訓というより反面教師だ。式典には施設を運営する富士電機も出席。事故後は責任の押し付け合いで訴訟合戦をした仲だ。金銭の負担割合で終わったが、危険なRDFを貯蔵する倉庫なのに専門業者として不備だらけと追及した県と、そんな危険な物だという県からの仕様も指摘もなかったと反論した富士電機との決着はどうなったのか

▼業者選定はプロポーザルだったが、委員の半数以上が県幹部で〝できレース〟の指摘も。教訓というならこれらも候補にあげてほしいが、類似の行政がいまも繰り返されている。