2019年8月20日(火)

▼10日後に告示が迫った松阪市長選挙について、新人の海住さつき氏が打ち出した争点は竹上市政の目玉、「豪商のまち」中心市街地土地利用計画(本紙「まる見えリポート」)

▼昨年4月の出馬表明では選挙戦に伴う市政の活性化が動機で、竹上市政については「悪い点はない。市内各地の市民懇談会でいろんな立場の現場の声を聴く姿勢はいい」。今年4月の公約発表でも、市民が主役をキャッチフレーズに市民参加型市政を掲げ、現職竹上真人氏とは方法論の違いを印象づけたが、ここへきて現職の看板施策に真っ向勝負を挑んだ格好

▼「豪商のまち松阪」は前市政が始めた構想で、竹上氏が「一度立ち止まって考える」と仕切り直しし、一部変更して軌道に乗せた。海住氏は「抜本的な再検討」を提唱する。検討会議が非公開で、会議資料は黒塗り。「密室から生まれた」として市民参加に根本的疑問を投げかけた

▼面白いのは夫で同市議の恒幸氏が竹上市政の「『負』のマニフェスト」として5月の同市議の「議会通信」で詳しく指摘していることだ。竹上市長が就任直後に設置した市政全般の意見を求める有識者の「市政推進会議」が当初から非公開で「市民排除・密室型」の4年間だったと批判する

▼実質竹上市長対海住夫妻の構図は鮮明になってきた。これに山中前市政の勢力がどう絡むか、自治会集会所改築補助金問題に前市政との確執も見られただけに百条委委員長を務めた恒幸市議との関係は複雑だろう

▼だから自身が表に出ず、さつき氏の裏方に徹するわけでもあるまいが、分かりにくさは双方にある。