2019年8月7日(水)

▼県議会が県政運営について県に申し入れた。県が6月定例月会議に議会に示した「令和元年版成果レポート」に基づき改善や見直しを求めたのだが、年度ごとにこのタイミングで実施していると言われると、年4回の定例議会形式だったころと今の通年議会とどこが違うのかという気はしてくる

▼例えば首都圏営業拠点「三重テラス」の来場者減への対策。「来場者数は重要な指標であるため、軽んじることなく」という申し入れだが、常任委員会でもすでに指摘している。財政改善や職員の不祥事の懸念などもこの1、2年の常連だ

▼緊急性という視点からは、東京・池袋と大津市の交通事故や川崎市の児童殺傷事件を他山の石にすべきという申し入れだが、だからこそ県をあげて大騒動になった豚コレラについて、何の指摘もないのが不思議なのだ。いなべ市内で感染イノシシが確認されたのが6月26日。養豚場での発生が7月23日。同26日、自民党県連は対策本部を設けている

▼議会は野生イノシシの感染を受け、県議有志の提案で6月会議再開日に意見書を決議しながら、養豚場発生以降は表立った動きがなく、今回県政運営への申し入れでも、特段の発言はない。基本的には大きく変わらなくても、と議会は通年議会について説明する

▼「大規模な災害など不測の事態には、緊急に本会議や委員会を開催して迅速に対応」「(通年議会の)メリットを十分生かし、県民の期待に応えられるよう」。これまでそんな機会に恵まれなかったが、今こそ―ではないのか。せめて、申し入れに加えてもよかった。