2019年7月13日(土)

▼国から出向組の県の部長がゴルフ好きで、知事の姿が見えなくなるとゴルフ場へ。支払いはむろん裏金。「またゴルフですか」と知事がやんわりたしなめると恐縮の顔を一応作ってから「でも、県民にばれることはありませんから」。情報公開法も条例も制定される前の話で、県職員の間でちょっとしたうわさになっていた

▼県も架空超過勤務、架空工事、カラ出張でせっせと裏金づくりをしていた。ばれなければいいというのは、そのころの国、県の大方の公務員に共通する。袖の下など平気の平左。手口はおおむね講演料、原稿料の形を取る

▼許認可権などで監督・指導する業界に業界団体をつくらせ、天下り先を確保した上で、制度を周知させる講演や解説書を執筆し、合法的に金品を受け取る。旧郵政省などは全国郵便局長会議と、彼らが役員の複数の完全子会社の役員会議を同時に開き、それぞれ旅費、宿泊費を支給していた

▼情報公開法の制定などで打ち切りになって四半世紀。警察庁や道府県警の幹部が昇任試験の問題や解答執筆を出版社から依頼され、高額の原稿料を受け取っていたというのは驚きである。かつての贈賄疑惑ではなく、公務員の倫理や兼業禁止の違反で懲戒処分というから、罪一等が減じられた気はする

▼兼業は認める働き方改革の時代だ。警察官もやっていい時代が来てもいいが、問題や解答を出版する会社に、対価を受けて職務上知り得た知識を提供したのは、やはり贈収賄が成立しておかしくない

▼対価を得ていたことを最初否定したらしい。同じ立場になれば警官も芸人も変わらない。